Pythonの例外チェーン(from句)を完全解説!初心者でもわかるエラーハンドリング入門
生徒
「Pythonのエラーって、原因が分かりにくいことが多いですよね?」
先生
「そうですね。特に、別のエラーがきっかけで新しいエラーが起きる場合は混乱しやすいです。」
生徒
「元のエラーも一緒に確認できたら助かるのですが…」
先生
「そのときに役立つのが、Pythonの例外チェーンとfrom句です。」
1. Pythonの例外チェーンとは何か
Pythonの例外チェーンとは、エラーが発生した原因となる別のエラーを、ひとつの流れとしてつなげて表示する仕組みです。これにより、「なぜこのエラーが起きたのか」を後からたどりやすくなります。
日常生活で例えると、「雨で道が混んだ → バスが遅れた → 約束に遅刻した」という因果関係を、そのまま順番に説明するようなイメージです。
2. エラーが隠れてしまう問題
Pythonでは、例外処理の中で別の例外を発生させることができます。しかし、そのまま新しいエラーを出すと、最初のエラーが分からなくなってしまうことがあります。
初心者の方は「表示されているエラーだけ」を見てしまい、本当の原因に気づけないことが多いです。
try:
int("abc")
except ValueError:
raise RuntimeError("変換処理でエラーが発生しました")
3. from句を使った例外チェーンの基本
この問題を解決するのが、例外チェーンです。Pythonでは、raise 新しい例外 from 元の例外という書き方をします。
これにより、新しいエラーと同時に「元になったエラー」も一緒に表示されます。
try:
int("abc")
except ValueError as e:
raise RuntimeError("数値変換に失敗しました") from e
4. 例外チェーンの表示イメージ
例外チェーンを使うと、エラー画面には「このエラーは、次のエラーが原因で発生しました」という形で情報が表示されます。
これにより、プログラムの中で何が順番に起きたのかを追いやすくなります。エラー調査の地図を持つような感覚です。
ValueError: invalid literal for int()
The above exception was the direct cause of the following exception:
RuntimeError: 数値変換に失敗しました
5. 実務に近い例で考える例外チェーン
たとえば、ユーザーの入力をチェックする処理で、内部ではPythonのエラーが起きているが、外側では分かりやすいメッセージを出したい場合があります。
例外チェーンを使うと、内部のエラーを残したまま、利用者向けのエラーを表示できます。
try:
age = int("ten")
except ValueError as e:
raise ValueError("年齢は数字で入力してください") from e
6. from Noneで例外チェーンを消す方法
逆に、元のエラーを見せたくない場合もあります。そのときは、from Noneを使います。
これは、「原因となったエラーをあえて表示しない」という指定です。ユーザー向けのシンプルなエラー表示に向いています。
try:
int("abc")
except ValueError:
raise ValueError("入力内容が正しくありません") from None
7. 例外チェーンを使うメリット
Pythonの例外チェーンを使う最大のメリットは、エラーの原因を正確に追えることです。プログラムが大きくなるほど、どこで何が起きたかを知ることが重要になります。
初心者のうちから例外チェーンを意識すると、エラー対応に強い考え方が身につきます。
8. Pythonの例外処理を理解するための考え方
例外チェーンは、単なるテクニックではなく「原因と結果をつなげて考える」ための仕組みです。
エラーが起きたときに慌てず、順番に原因をたどる。そのための道しるべとして、from句を活用してください。